シェルティ(シェットランドシープドッグ)は犬種としては、主人に従順、警戒心が強い、動くものに敏感に反応するといった特徴があります。牧羊犬時代のなごりですね。
ただ同じ犬種でも、個体によって性格がぜんぜん違います。飼い主のしつけ方によっても犬の行動に差が出てきます。
現在では実に多くの犬種が登場していますが、シェルティはかしこくて有名な犬です。
という訳で犬が賢いなら、しつけに関してうまくいくかどうかは飼い主次第ですね。
うーん。正論で指摘されると何も言えません。飼い主の何気ない行動が犬にかなり影響を及ぼしているんですよね。
初めての犬だったり、初めてのシェルティだったり、初めてだとわからない事がたくさんあります。いくらネットや本で調べたり、人から聞いたとしても実際に経験を重ねていかないとうまくいかないものです。
これからシェルティを飼う予定の人、もう飼っている人も比較検討材料としてうちのシェルティの性格、長所短所、暮らしぶりを参考になさってくださいね。
同じシェルティでも性格は色々
シェルティを飼いたいなら、ペットショップではあまり見かけないので、ブリーダーさんを調べて連絡を取ります。
私たちも(夫が)県内のブリーダーさんの子犬の情報をネットでみつけて、ブリーダーさんのお宅まで車を1時間以上走らせて会いに行きました。
シェルティ愛に満ちあふれたブリーダーさんのお家には、生後1ヵ月位のシェルティの兄弟が2頭いました。兄弟でも性格が正反対で、1頭はしっぽをフリフリ、私たちに近づいて来ました。もう1頭はケージに入れられたお母さん犬のそばでフェンスごしにじっとしていました。
- 活発に走り回って、人を恐がらない子犬
- 人見知りして、はしっこでおとなしくしている子犬
2頭の子犬の様子は、本当に対照的でした。
私たちが訪れたブリーダーさんは、ドッグショーなるものに出場している関係で、恐いもの知らずの性格の子犬を手元に残して、おとなしい性格の子犬を譲ってくださるとのお話でした。
つまり、そのブリーダーさんからシェルティを購入するなら選択の余地はなく「おとなしい方の子犬」に決定です。あいきょうたっぷりのおてんばな子犬も気になりましたが、お母さん犬のそばでじっとしている子犬をウチのコに迎え入れる事に決めました。
子犬は生後2ヵ月を過ぎるまで母犬と一緒にいる方がいいという事で、後日再訪問して譲り受けました。(ブリーダー価格税込み12万円)
犬の競技を目指すなら
うちの場合は、アジリティ(犬の障害物競争)やドッグショー、フリスビーなど、競技会や大会に出場する野望もないので犬の性格に対するこだわりはありませんでした。なにか目的があるなら、個々の犬の性格を判断して選ぶ必要があるかもしれません。
家庭犬なら
うちは特に犬と何かを目指す予定はなく、ただ癒しを求めて、もふもふのシェルティちゃんを我が家に迎え入れました。
結果オーライですが、控え目な性格のその犬は問題行動も少なく飼いやすかったです。
[参考例:うちのシェルティ]
サリー:女の子 5歳 内気 ビビリ 奥ゆかしい 我慢強い性格
控え目な性格ゆえに、サリーが物を破壊する事はほとんどありません。破壊した時は理由がありました。
[サリーが破壊したもの]
- 障子紙を爪で破く→飼い主の留守中、近所で工事音が半日続きストレスがマックス
- クッションカバーなど布類の端をかみちぎる→お腹がすいていた
爆安のドッグフードをネット通販で発見、大袋を二つ購入し与えていた時期がありました。粗悪品だったらしく、かわいそうにサリーは栄養不足でお腹をすかせていたんです。後になって認識した事ですがドッグフードを改善したら布類を食べてしまう問題行動はほとんどなくなりました。
犬を飼っているお宅では、犬に壁紙やソファ、家の中をボロボロにされたという話をよく聞きます。サリーは遠慮深いので自らソファの上にのる事はありません。
犬種的には警戒心が強いので、家の周りの物音や異変に強く反応してうるさく吠えます。サリーが吠えたら飼い主が「サリー、わかったよ」と返事・声かけします。それでも吠えつづけたら、サリーの体にさわったり、ハグすると静かになる事が多いです。
遠くで他の犬の声がしても、サリーがけたたましく吠える事はなく、控え目に「ぅわん」と小さくほえます。内気でビビリなので、他の犬と渡り合う自信がないのかもしれません。平和主義?おくびょう者?両方な気がします。
そんな感じでサリーが散歩中に、他の犬から吠えられる事はあっても自ら吠えたり向かって行く事はありません。もし吠えられて恐い思いをしたサリーのささやかな反撃としては、相手の犬が離れて安全な距離になったら小さく「わふっ」と吠え返しています。
残念ながらサリーには犬のお友達がいません。サリーは中型犬で体重が10.5kg位ありますが小さなチワワちゃんにもビビって近付きません。
これは飼い主のせいでもあって、本当はもっと子犬の頃から公園やドッグランで他の犬との触れ合いを通して、経験、場慣れさせた方がよかったのかもしれません。
まだ間に合う方はぜひ、「子犬の時代の社会化=色々な犬、人、物に慣れさせる事」をさせてあげてくださいね。
サリーは人間のことは大好きで、知らない人でもあまり怖がったりしません。ただ洞察力があるので私があやしいと感じるレベルの人に対しては警戒した態度をとります。
日常で面倒なこと
おとなしめのシェルティでも、うるさく吠えてしまう事があります。どうしても吠えるので、犬をつないだり抱えたりしてやり過ごしています。
例:
・コーヒーメーカーの終わりの音
・シャッターの開閉音
・空き缶をつぶす音など
嫌いな音にはけたたましく吠えるので、サリーをいちいちなだめる必要があります。サリーを抱きしめたり体をポンポンすると、吠えるのをけっこう我慢してくれます。
シェルティは記憶力がとても良いので、嫌いな音を出す物の収納場所を覚えています。
スライサー・大根おろし器など、嫌がる道具を取り出す前にサリーを浴室か別の部屋に移動して対策しています。
無駄吠えに関しては別記事で詳しくご紹介しています。
ハウスのコマンドに従う率100%
サリーは子犬の時から、ケージ(サークル)内で朝夕のゴハンを食べさせています。毎日の習慣で犬用食器にゴハンを入れると、サリーはうれしそうにダッシュでケージに入ります。
「ケージ=良い所」のイメージを犬に持ってもらうのは大事です。
[犬の一日 参考例]
6:30頃 散歩
7:00頃 朝ゴハン(サークル内)
終日 フリー
午後 散歩
17:00頃 晩ゴハン(サークル内)
21:00頃 トイレ(サークル内)
22:00頃 就寝(飼い主の部屋)
飼い始めた当初は、就寝時間や留守番の間はサリーをサークルに入れていました。おもらしや誤飲の心配が、ある程度落ち着いてからは室内で放し飼いのほぼフリー状態になりました。
今ではサリーがサークルに入るのは
①水を飲む
②ゴハンを食べる
③トイレで排泄
という様に飲食とトイレの時に自ら出入りします。
サリーを飼い始めて数年は犬だけサークルのある一階で寝て、人は2階の寝室で寝ていました。
酷暑の夏の熱帯夜にエアコンをつけた涼しい飼い主の部屋で一緒に寝かせて以来、サリーも一緒に2階の部屋で寝るスタイルが定着しました。
中型犬ですがピョンピョン階段を上り下りする姿は、とってもかわいいです!
二階には犬のトイレを設置していないので、就寝前にケージ内のトイレで用を足してから上の部屋に行く習慣になりました。
「サリー、ハウス!」とコマンドを言うとほぼ100%すんなりサークルに入ります。サリーがサークルに入ったら扉を閉めて「ワンツーワンツー」とウンチ・オシッコを意味するコマンドを言います。
だいたい少量でもオシッコをするのですが、出ない場合サリーはトイレの上におすわりかフセをしてしまいます。それは「何も出ませんよ」というサリーからのメッセージだと解釈して、ケージの扉をあけてあげると外に出てきます。
ちなみにサリーがサークル内のトイレでウンチやオシッコをしたら、小さなオヤツをあげる決まりになっています。
しんぼう強く待てる犬
子供がサリーの晩ゴハンを担当しています。なるべく子供の自主性に任せたいので黙って見守っていると、なかなかゴハンを用意しない日があります。
毎日16時半~17時位がサリーの晩ゴハンの時間です。サリーは16時を過ぎるとソワソワし始めます。私も子供の様子を伺いつつ、「まだかなー」と思いながら黙って待っています。
17時近くになるとサリーが私の顔をのぞき込んだり、小さく鼻でないたりしますが、ひたすらおとなしくゴハンを待っています。決して吠えたり騒いだりせずに、しんぼう強く待てる犬なので「本当にえらいコだなぁ」と感心します。
控え目過ぎて物足りない時もある
奥ゆかしい性格だからなのか?サリーが遠くにいる時に「サリー、おいで!」と呼び寄せると、飼い主の胸に飛び込まずに飼い主の横?わきに来ます。走るのも直線ではなく回りこんで来ます。
サリーが興奮して、飼い主の体や足に飛びつく事はめったにありません。
毎回、再会する度に大喜びしてくれるサリーですがシッポはふりふりしてくれるものの、激しくぶんぶん振り回す事はありません。
たぶん、あらゆる面で感情を控え目に出す性格なんだと分析しています。
ちぎれんばかりにシッポをふる犬や、お散歩中ずーっとシッポをふり続けているワンちゃんを見かけるとうらやしくなる時があります。
無い物ねだりなんだと思います。サリーはシャイでおとなしい犬ですが、豊かな顔の表情で感情が伝わってきます。
うれしい時はたれ耳がさらに下がってペタッとなるのでわかりやすいです。(シェルティの耳は折れて垂れ下がっているコと、ピンと立っているコがいます)
しつこく歯磨きされても耐える犬
犬も毎日のハミガキが大切です!
予防接種やフィラリア対策で動物病院へ行く度に、「ちゃんと愛犬の歯磨きを毎日続けるように」指導を受けていながら、月に数日しか実行できていませんでした。
「歯周病で顔の皮膚に穴があいてしまった犬」の話を聞いて怖くなり、最近ようやく飼い犬のハミガキに本腰を入れる様になりました。
布製の手袋とハブラシを使って、なるべく毎日サリーのハミガキをしています。
サリーもその他大勢の犬同様にハミガキが大嫌いです!あのやさしいサリーがぶちギレます!
サリーを自分の太ももの上に寝かせて抱え込んでハミガキをするのですが、素早い動きでかわそうとします。指で犬のくちびる?をめくって歯にハブラシをあてると怒ってワニみたいに噛みつこうとしますが寸止めで本当に噛んだりはしません。
ものすごく怒っているのがわかりますが、サリーが噛みつかないとわかっているので安心してハミガキを強行します。サリーが手足をバタつかせたり、顔の向きを変えたりするので、イマイチ思い通りにハミガキできないでいます。うまくいかないので5分以上しつこくハミガキを続けてしまっています。
愛犬のはみがきで手を噛まれる飼い主さんは実は多いです。サリーも怒りつつ耐えてくれています。もっと犬のストレスを減らしてスムーズに歯のお手入れをしたい!!犬のハミガキ方法については現在模索中です。
痛くても我慢してくれる
同じ室内で犬と生活していると、いつの間にか飼い犬が自分の足元に来ていて、ぶつかってしまったり、ちょっと踏ん付けてしまう事があります。
うっかり、ヒザげりがサリーの顔面に入った時も、サリーの足を踏んでしまった時も何も言わずいつも我慢してくれます。まれにサリーがキャインと悲鳴をあげるのは、相当痛かった時だけなんです。
アクシデントの度に、痛くても耐えてくれているサリーですが、爪を切り過ぎた時には「キャイン」と声を出しました。爪の断面から出血してしまったので、とっても痛かったにちがいありません。ごめんなさい。白爪は神経?血管が透けて見えるのですが、黒爪は勘で切るしかないんです。言い訳ですね。以後、気をつけます。
きっと私が連呼している「ごめん!ごめん!」という言葉を理解してくれている気がします。ふがいない飼い主ですが、サリーはいつも許してくれて我慢してくれるので感謝しています。
シェルティの性格まとめ
- 同じシェルティでも性格には個体差がある
- やんちゃな犬、おとなしい犬それぞれに長所短所がある
- 飼い主の目的や相性で犬を選ぶという考えもあります
- シェルティは同じ様な顔に見えて性格はさまざま
- うちは控え目な犬と出会い、家族との相性もバッチリでした
サリーは自分が我慢して飼い主の気持ちを優先してくれる犬です