膀胱炎(ぼうこうえん)は犬にもよく起こる症状です。
犬は外で排泄(はいせつ)したり、地面に直接座ったり、ふせたりするので尿路に細菌が侵入するリスクがあるのです。
とくにメス犬は尿道が短く肛門に近いので、菌が侵入しやすく注意が必要です。
うちの飼い犬は6歳で、ケガや病気とは無縁の元気な女のコですが「ぼうこう炎」には2回かかりました。犬がぼうこう炎になると瀕尿(ひんにょう)や、おもらしが起こるので、飼い主も気がつきます。
ここで重要なのは、受診せずに様子見している間に症状が進行して最悪手術が必要になるケースがあるということです。
犬にも身近な「ぼうこう炎」について知り、飼い犬の異変に気がついたら適切に対応してあげたいですね。
では、ぼうこう炎の症状、原因、治療方法、対策などをおさえていきましょう。
瀕尿やおもらしは犬からのサイン
犬の体調管理では食欲と「おしっこ・うんち」が健康のバロメーターになります。
犬のおしっこやウンチの回数や量、様子が普段と違う場合は、しっかり状況を観察して対応してあげましょう。
- オシッコの回数が増えた
- 1回あたりの尿の量が少ない
- おもらしするようになった(外やトイレ以外の場所でオシッコした)
他にも、いつもと犬の様子がおかしいと感じたら「ぼうこう炎」の可能性があります。
犬のぼうこう炎 知っておきたい事
[症状]
はいせつ時の異変(ひん尿、血が混じる、なかなかしない)
[主な原因]
細菌感染 長時間おしっこを我慢している 水の摂取量が少ない
[治療方法]
食事療法 投薬 手術
[対策]
- はいせつ部位を雑菌から守る
- 長時間おしっこを我慢させない
- 水を飲む機会を増やす
ぼうこう炎→尿石症のリスク
犬がぼうこう炎になると尿の成分バランス(pHの値)が傾き、結晶化、結石ができるリスクが高まります。
尿石症(にょうせきしょう)が進行してしまうと、食事療法や投薬治療では間に合わず手術にいたるケースも出てきます。
できてしまった結石を外科手術で取り除くとなると、犬の体にも治療費としても大きな負担となってしまいます。
ぼうこう炎にかかると尿石症へ発展するリスクがあることを念頭に置き、犬のオシッコに異変を感じたら早めに獣医師に相談することをおすすめします。
ぼうこう炎歴2回 うちの犬の場合
うちの場合、朝と昼の散歩および就寝前にハウス内の犬のトイレでオシッコをさせています。
自宅屋内で放し飼いをしているので、基本的に自由にいつでも犬はペットシーツを設置したトイレで用を足すことができます。
おしっこを長時間がまんさせてはいないので、ぼうこう炎の原因としては散歩後に使っている犬の全身をふくタオルがあやしいのではないかと思い当たりました。
私は散歩から帰ると、ぬらしたハンドタオルで犬の顔から体、足の裏、おしり、おまたをふいています。
実は犬のはいせつ部位を一番最後にふいていたので、タオルの使い方に問題を感じました。
地面を歩いた肉球を拭いたり、肛門を拭いた後のタオルには雑菌の可能性があります。清潔ではないタオルで尿道付近をふかないように気をつけるようになりました。
ぼうこう炎1回目 2歳
飼い犬のサリーは2歳の時にぼうこう炎になりました。
少量のオシッコで回数が増えて、尿に血がまじっていたので異変に気がつき、動物病院へ連れて行きました。
エコー検査にて結石の状態を確認し、ストルバイト結石症に対応した(pHコントロール)ドッグフードに切り替えての食事療法となりました。
ロイヤルカナンの下部尿路疾患対応のドッグフード3kgをその場で購入。毎食適量を与えて、全部なくなったら再来院するようにとの指示でした。
およそ1ヶ月半後に再受診し、尿検査を行ったところ数値も正常に戻り、無事治療を終えました。
ぼうこう炎 2回目6歳
6歳にもなるとトイレの失敗がなくなるのですが、ある日、サリーが床でおしっこをしてしまいました。
数日のうちに畳や敷物の上で、おもらしを繰り返したので異変に気がつきました。
サリーの散歩に出かけると普段と違って、道路に出たら即オシッコをする日が続きました。よく見るとオシッコの中に小さな血の固まりのようなものが見えます。
1週間ほど様子を見てしたのですが、やはりマズイと思い、サリーを動物病院へ連れて行きました。
かかりつけの獣医さんに「1週間前から瀕尿になり、おもらし、オシッコに血が混じっていた」ことを伝えると「連れて来るのが遅い!」と怒られました。(先生は恐くないです。正しいことをハッキリ言います)
もっと早く受診すべきだった理由は、様子を見ている1週間で結石症が進んでしまい、結石ができてしまうと外科手術という大事(おおごと)になってしまうからです。
私は内心どうしようと思いつつ、サリーに石ができていないことを祈りました。
早速、サリーを診察台にのせて超音波検査で結石ができていないかチェックします。あやしい影を発見し、サリーのお腹の毛をバリカンで取り除いてから、さらに注意深くエコー画面を確認しました。
超音波検査で異物の存在が確認できたので次に、小さなかたまりが結石なのか血の固まりなのかレントゲン検査で判別します。
レントゲンの結果、結石ではなく、その前段階の血栓であることがわかりました。
良かったです。手術はまぬがれ、投薬治療となり、内服薬の錠剤と尿検査のスティックを受け取り帰宅しました。
数日間の投薬期間を終え、尿検査の結果、無事に回復していることがわかり、治療を終えました。
膀胱炎 犬の治療費
犬のぼうこう炎の治療費は合計10500円(税込み11550円)でした。
診察料 1000円
超音波・レントゲン検査 4000円
内服薬 4500円
尿検査 1000円
以前に食事療法で使用したドッグフード代が今回の内服薬の料金と同じ位でした。
2回ぼうこう炎を経験したうちの場合、犬の治療費は、食事療法も投薬治療も1万円ほどでした。尿石症で手術ともなれば、数十万円の医療費がかかってしまうので、飼い主として気をつけたいです。
犬の尿石症について
ぼうこう炎から尿石症になる場合と、尿石症でぼうこう炎になる場合があります。んっ?ややこしいですね。
いずれも尿石症(尿路結石症)になると、腎臓から尿道までの尿路のどこかに結石ができて、最悪のケースでは詰まったり激痛を引き起こします。
予防策としては、タンパク質やミネラル分のとり過ぎに注意して、お水を飲む機会を増やします。
人間でも石ができやすい人がいます。原因は食事や排泄も影響していますが、根本的には体質によるところが大きいと言われています。
尿石症と診断されたことのある犬は、再発しやすいので異変に気づいたら早めに獣医師に相談することが大切です。
尿石症になりやすい犬種
シュナウザー、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ダルメシアン、シー・ズー、パピヨン、パグ
まとめ
通常はバリア機能が働いていても、犬もストレスなどで免疫が低下している時は細菌に侵入されやすくなります。
犬のぼうこう炎予防は、食事やお水の量やバランスに気を配り、はいせつ時の清潔をたもち、適度な運動を心がけましょう。