2023年11月27日更新
私は花粉やハウスダスト、その他諸々のアレルギー持ちで慢性鼻炎により年中、鼻の閉塞感(へいそくかん)に悩まされていました。
鼻の奥の粘膜が腫れて、とにかく鼻呼吸が思うようにできずに苦しいです。
病院処方の点鼻薬を切らした時は、市販の点鼻薬を使って鼻の息苦しさをしのいでいました。
市販の点鼻薬の長期の常用は、望ましくありません。
本当に毎日辛いので、耳鼻咽喉科を受診して何とかしたいと、重い腰をあげました。
舌下に薬を投与するアレルゲン免疫療法(減感作療法)を視野に入れて受診しましたが、私の場合、まず鼻のレーザー治療が先だと医師にすすめられました。
私は、手術等の医療行為は苦手で恐怖感もありましたが、とにかく毎日つらいので、その場で決意して1週間後にレーザー治療の予約をしました。
「手術はきつかったけど、やって良かった」というのが私の感想です。
個人的には想像以上のツラさでしたが、私は鼻の通りが非常に改善したのでレーザー治療をやって本当に良かったです。
ただし、効果の持続は個人差により1〜2年か数年とのこと。
「いつかまたレーザー治療を受けますか?」と聞かれたら悩みますが、鼻づまりに苦しむ人は、ぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。
費用は保険適用で、レーザー治療で約1万円。その他、薬代等で8千円。合計約2万円とお考えください。通院5回前後、期間は1ヶ月ほどかかりました。
※このリポートは個人の感想です。
症状、医療機関により差が出るので、ご留意ください。
鼻のレーザー治療 医師の説明と同意書
鼻のレーザー治療について説明と同意書
説明医師□□ ○○耳鼻咽喉科
レーザー治療とは
鼻アレルギーや年中鼻閉のある慢性鼻炎に対して行う治療です。鼻の中の粘膜に弱い出力のレーザー光を当てて、粘膜の腫れ、むくみをとり、過敏になった粘膜の感受性を低下させる方法です。当院では炭酸ガスレーザーを使用しています。
適応
鼻アレルギーは非常に複雑な体内の反応の結果起こりますので、本来は鼻の中だけの部分的な治療よりは、薬などを用いる治療が合理的です。しかし、そのような治療でうまくコントロールできない場合や、何らかの理由で薬が飲めない場合、また鼻粘膜の腫れが高度となり、むくみがもとに戻りにくくなってしまった場合には行います。
本来は慢性的な鼻炎(通年性)に行うのが良いと考えられていますが、最近はお悩みの方の多いスギ花粉症でも行うことがあります。副鼻腔炎、鼻中湾曲症などの他の鼻疾患の合併がある方はレーザー治療のみでは効果が感じられないことがあります。
方法
薬液のついたガーゼを鼻の中に入れておきます。約15分で粘膜の表面は充分麻酔されますので、注射などは不要です。ガーゼを取り出して、鼻用の細い筒状の器具から導かれるレーザー光を鼻粘膜に当てます。処置自体は両側でたいていは15分程度で終了します。通常は1回で終了です。
効果
1回の治療で大体75%位のひとに効果があると考えられています。くしゃみ、水鼻には薬の併用が必要なこともありますが、鼻づまりには特に効果があります。レーザー治療の効果は症状が出にくくなるということです。
アレルギー体質そのものが治るということではありません。花粉が多いときは治療効果が出にくく、症状がでてしまう場合もあります。またレーザー光に対する粘膜反応にも個人差がかなりあります。しばらくは調子がよくても、粘膜が再生しやすい方は再発しやすい傾向にあります。
治療後
レーザー光を当てた粘膜には薄くかさぶたがつきます。それが取れるのに10日前後かかり、そのあとに過剰性の減った新しい粘膜が再生してきます。治療後、2、3日はむしろ鼻づまりがやや増えますがその後、効果が出てきます。
副作用
局部的な治療であり、レーザー光は鼻粘膜表面で吸収され、体内には入りませんので、影響が出ることはなく、再治療は何度でも可能です。
かさぶたのついている時期に強く鼻をかむと血が混じることがあります。
レーザー治療中にこげくさいにおいがして、少し後までその影響があり、嗅覚が鈍る感じを持たれることがあるかもしれませんが、レーザー治療では嗅覚に関連のある部位は触りませんので、実際に嗅覚が鈍ることはありません。
以上、説明を受け手術に同意します。 年 月 日
住所
氏名
生年月日
20歳未満の方は保護者の同意
住所
氏名
[引用:治療を行った耳鼻咽喉科の同意書]
レーザー治療体験 詳しくリポート
いよいよ鼻のレーザー治療に臨みます。処置は、通常の耳鼻咽喉科の診察室と同様で、背もたれ+頭もたれ?のあるイスに座って行われます。
まず、麻酔の薬液をたっぷり含ませたヒモ状のガーゼを鼻の穴一つに対し、全3本を1本ずつ奥へピンセットで詰めていきます。かなり奥までガーゼを入れ込みます。
麻酔の薬液が少量、鼻からノドをつたっていくのでツバを飲み込まない様に、随時、ティッシュペーパーにツバを吸わせるように指示されます。
(麻酔の薬液を飲み込んで、ノドの感覚がマヒするのを防ぐ為)
両方の鼻の穴にガーゼを詰め込んで、20分置いて麻酔を浸透させます。
当初、麻酔の方法が薬液を含ませたガーゼで行うと聞き、恐怖感は少ないと想像していました。
実際にやってみたら、そんなに奥までガーゼを入れるの?って感じで、それはそれできつかったです。
20分後、鼻の穴に詰めておいた各3本計6本のヒモ状のガーゼをピンセットで抜き取ります。麻酔が効いて痛みや熱を感じないはずですが、もし何かあれば手を挙げて知らせるように先生に指示されました。
レーザー光が患者の私の目に当たるのを防ぐ為、専用のゴーグル(透明のサングラス)をかけます。
いざ、右の鼻の穴からレーザー光の照射スタートです!
装置からコードがつながっていて、金属の棒(太い針金状の10cm位の医療器具)の先が白く光っています。先生がその金属の棒を鼻の一番奥へと差し込み、奥から順に粘膜を焼いていきます。
麻酔されているので焼かれている粘膜の表面は熱くないし痛みはありません。
長い棒が鼻の穴の奥まで突っ込まれて、頭をイスの背もたれに押さえ付けられているような状態です。
指示により処置中は口呼吸を行うのですが、粘膜?鼻毛?のコゲくさいにおいがずっとしていて、それがキツイんです!
たんねんに粘膜の全部の面積を焼いているのか、左右両方でレーザー照射に30分かかりました。
左の鼻の穴の照射中、ジリジリと少し痛みを感じ顔をゆがませていたら、ガーゼ1本分追加の麻酔が入りました。ガーゼを入れたまま残りの部分を焼いていきます。
その後、ガーゼを取り出して全ての粘膜にレーザー光を当てていきました。
激痛や熱さはないものの、コゲ臭さと、鼻の穴を棒で押さえ込まれている態勢と緊張で、けっこうしんどくて、少し涙目になりました。
先生の「終わりました」の声に、「ほーっ」とため息が出てしまいました。
13:30に来院して、治療を終えたのは1時間後でした。
術後はすぐに帰宅でき、日常生活もほぼ普段通りでOK。
次回、一週間後に再来院するまで、点鼻薬の使用や強く鼻をかむなどの刺激はNGとの事でした。
参考:レーザー治療後の注意
レーザー治療後の注意
治療後、3日〜一週間程度、つよい鼻詰まりを感じることがあります。
その間、強く鼻をかむと出血することがありますので、注意してください。
内服薬はしばらく続けてください。
施行直後から日常生活は普段通り可能ですが、
激しい運動、多量の飲酒は控えてください。
治療中の焦げ臭いにおいがしばらく残ることがありますが、嗅覚に関係のある部位は触っておりませんので、実際に嗅覚が鈍る心配はありません。
かさぶたがたまりますので、1週間後に鼻処置をします。
アレルギーがなくなるわけではないので、必要があれば服薬や通院を継続することがあります。
2週間くらいから効果が出てできます。
効果の持続は個人差があり、1〜数年です。
レーザーの効果はアレルギーがなくなるということではなく、症状を抑えるということですので、鼻の粘膜の再生が早い方は早く効果が薄れる傾向にあります。副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症など他の鼻疾患の合併がある方はレーザー治療のみでは効果が感じられないことがあります。
全身に影響のない治療ですので、ご希望があれば繰り返し行うことができます。
□□耳鼻咽喉科 院長○○
[引用:治療後に渡された注意書き]
レーザー治療の晩寝込みました
〈治療後〜その晩の状態〉
私は治療後から、鼻、ノド、目に炎症を感じ始めていて、会計、処方せん等を済ませて帰宅すると、さらに炎症がひどくなっていきました。
次第に首や肩もこわばってきました。
鼻の穴の奥が痛くて、まるでせっけん水が鼻の穴に入ってしまった時みたいにツーンとした痛みが続いています。
こめかみや頭も痛くなって、目の炎症がつらいので、ぬらしてしぼったフェイスタオルを帯状にたたんで、まぶたの上にのせ、私は横になりました。
鼻と口の炎症もつらいので、私はもう一枚フェイスタオルを用意して、乾いたまま二回たたんで鼻と口を覆いました。
この二枚のタオルは苦痛の軽減にかなり有効でした。
その日は、10月の1週目にしては暑い日で室温が28℃近かったのに、私は多少の寒気を感じ、夕食の時間までタオルケットをかけて休みました。
たまたま金曜日で本当によかったです。
やはり、大きな手術でなくても翌日はお休みの日の方が安心です。
家族にサポートしてもらい、術後の日は夕食を軽めに済ませて早々に布団に入りました。
けっこう、頭痛、首、肩のこわばり、目の炎症が一晩中続きました。
ぬれタオルと乾いたタオルをそれぞれまぶたと、鼻と口にのせて炎症の痛みをしのぎました。
ぬれタオルは時折、接地面をかえて朝までまぶたの上から冷やし続けました。
〈治療の翌朝の状態〉
就寝前は体温が36.8℃でしたが、夜中に多少の汗もかき、朝にはだいぶ全ての症状がおさまってきて、熱も36.4℃まで下がりました。
とにかく鼻の穴の奥のツーンとした痛みと、目、鼻、ノドの炎症がおさまって安心しました。
治療後の夜の入浴中と入浴後には、びよーんとした鼻水がけっこう出ました。
翌朝にはサラサラとした透明の鼻水になり、少し黄色や血が混じっていました。
〈治療から2〜3日後の状態〉
レーザー治療の2日後には、かさぶたなのか鼻クソなのか、鼻の穴の中に存在感のある固まりを感じますが手出しは禁物です。(ほじる?はがすと出血してしまうそうです)
鼻水がやや黄色い時があります。
レーザー治療後から数日間、点鼻薬を使用していませんが鼻の通りが良くなっていて、以前よりも鼻呼吸しやすいと感じます。
〈治療から4〜6日後の状態〉
粘り気のある鼻水で、普段通りに鼻をかんでも中々出てきません。鼻の穴の中の鼻クソの固まりが気になったら、お風呂上がりに鼻をかむと多少出てきます。
(入浴後は鼻クソもふやけている為)
一応あまり強く鼻をかまない様には注意しました。
注意書きには「術後3日〜1週間程度、強い鼻詰まりを感じることがある」と書いてありましたが、私の場合、幸いそれはありませんでした。
〈治療から1週間〉
治療から1週間後に来院して、鼻クソ?かさぶたを医師に取り除いてもらいました。先生は平静をよそおいつつ、私の鼻の穴からごっつい固まりが取れた様子でした。
私:「出てきたのは、かさぶたですか?鼻クソですか?」
先生:「えー、かさぶたに分泌物がついた物です」
〈治療から1〜2週間〉
治療後、1〜2週間、かさぶた+分泌物は出続けます。鼻水は黄色みがかったり、粘り気があります。存在感のあるかさぶたがくっついたまま中々取れません。
許されるなら、入浴中に鼻の中の分泌物がゆるんだ時に手ばな(手で鼻をかむ)が有効です。
湯舟につかって、お風呂上がりに鼻をかむと大物が飛び出してきて超そう快です。
鼻の通りはだいぶ良いですが、多少鼻の奥がツーンと痛い気がします。
〈治療から2週間後〉
治療から2週間後、来院し、再び先生が鼻の中のお掃除をしてくれました。
鼻クソを取り除くのに、先生が深追いし過ぎた左の鼻の穴の奥が少し痛いです。
〈治療から3、4週間〉
治療後から3週間、内服薬(飲み薬)を続けます。
1週間おきに計4回通院、鼻のお掃除、経過観察、ネプライザー、診察です。
私の場合、9月末に初診で鼻のレーザー治療の予約を入れ、10月初旬に手術、術後の診察4回にて11月初旬に通院が完了しました。
治療費用(健康保険適用)
初診料(私の場合アレルゲン検査等含む) ¥6390
レーザー治療手術代 ¥9230
経過観察・鼻掃除・ネプライザー ¥660×4回
・通院 全6回の治療費支払い金額 ¥18200
・処方せん 錠剤代 全6回分 ¥7650
私が今回支払った合計金額は¥25850でした。
私は初診の際に舌下錠によるアレルゲン免疫療法を検討していたので、アレルゲンの血液検査を受け、その費用に約五千円かかっています。
レーザー治療費用はトータルで約2万円が目安です。
アレルゲン免疫療法(減感作療法)を希望する場合は、花粉の季節が落ち着く6月以降の開始となり、1日1回の服用を3年程度継続するとの事でした。
【追記】
鼻のレーザー治療から4年以上が経過し、ブタクサの花粉シーズンが到来し右鼻がつまってきました。
再びレーザー手術を受けるのはきついので、鼻の粘膜に薬剤を塗る治療を検討しています。
[参考サイト]
トリクロール酢酸下甲介化学剤手術|高松市の耳鼻科|わたなべ耳鼻咽喉科
まとめ
鼻の粘膜レーザー手術はキツイ
麻酔のガーゼを鼻の穴の奥まで詰め込まれるのと、照射時のコゲ臭さがキツイ
- 費用は保険適用で自己負担額は約2万円
- 1週ごとに通院が必要で、完了までの期間は3週間〜1ヶ月程
- 効果の持続は個人差により数年
大変だけどやって良かった
4年程度とはいえ数年間でも鼻の通りが良くなったので試して良かったです。
(※個人の感想)