便利なマンションに引越して快適な老後を送ってもらいたいと、私が提案して両親と物件の内覧を重ねていました。ところが完全に私のいさみ足だとわかり、賃貸マンションの契約直前で白紙に戻したのでした。
現状の住まいは3階建ての戸建てで、高齢者の二人暮らしには不向きです。そして、すべての部屋で物が山積みになっています。
自宅周辺には何もなく、病院もお店も近くにはありません。何か用事がある度にバスで出かける必要があります。
この先、買い物も通院もままならなくなるので、住み替えの物件探しをあきらめたくはありません。
「うーん。お父さんも満足できて、ここなら住みたいと思う理想のマンション、ないんだろうか…?」
想像以上に難航した賃貸マンション探しですが、今まで見ていなかったエリア、別の路線で再び物件探しを始めた結果、事態が好転しました。
やる気のある営業マンとの出会い
一度行き詰まったものの、物件探しを再開した私は、ウェブサイトで見つけた物件数件の内覧希望を申し込みました。
条件、駅、徒歩分、家賃、間取り、高齢者の両親が住む事、連絡先は娘である私の電話番号を入力し登録しました。
ほどなくして不動産会社の女性営業マンから電話がかかってきました。私は来店日時を伝え、さらに付け加えました。
私:「すみません。これまで何件か物件を見てきました。不動産会社へ来店すると内覧に出るまで1時間以上かかっています。両親も高齢ですし、店舗であまり時間を取らずにすぐ内覧に出掛けたいのですが…」
営業マン:「わかりました。すぐに内覧に出られるように私の方でも準備しておきます」
何か今までの営業マンとは、全然違う…やる気を感じる。不動産会社5社目にして初めて期待できそう。サイトやメールの問い合わせをスルーする会社も数ある中、電話をくれた営業マンは初めてでした。
私と両親は物件探しが難航する中、マイナーで初めて知った不動産会社の店舗を訪れました。先日電話でやり取りをした女性営業マン□□さんがやさしそうな笑顔で現れました。
店内で必要事項(名前や連絡先等)を記入し、条件等の確認を簡単に終えると早速、車で内覧へ向かいました。
あいにく大雨の日で、高齢の両親を気遣って物件マンション前で車から降ろしてくださり、□□さんはコインパーキングに車を駐車して大急ぎで戻ってきました。
この日は、私がチェックを入れていた物件と□□さんが候補に加えた計4件の賃貸マンションの内覧をしました。
これまで見て来た物件よりも都心に出にくい分、家賃の価格帯は下がり、マンションの造りもグレードアップしました。父がもっとも優先する眺望も桜の木や緑地が見えて、なかなかです。
父:「ここだったら前に決めようとしていたマンションよりずっと良い。気に入った」
父は多少、気を使っているのかもしれませんが、この日、父の眼鏡にかなう物件にようやく出会い、新生活について本格的に考え始めました。
親の住み替え18件目で出会った物件
2ヶ月に渡り、私と両親で賃貸マンションの内覧を続けた結果、ようやく理想に近い物件にたどり着きました。
高望みをしていたわけではないのですが、気に入る物件になかなか巡りあえずにいました。
ようやく父の納得のいく物件がみつかり、さらに他にも良さそうな物件があるとのことで、やる気と配慮のある女性営業マン□□さんと別の日に再び内覧へ出掛けました。そして最後に訪れたマンションがずば抜けて良い物件だったのです!
好条件の賃貸マンション
<良い点>
家賃(共益費含む)11.5万円
3LDK キッチンリビング、和室、洋室×2
駅徒歩4分
眺望良し(接近する建物がなく遠くの緑が見える)
大型スーパー、バス停 至近
近所にドラッグストア、レストラン有
4階(最上階ではない)エレベーター有
マンションの造りが重厚
広いベランダ
広い公園、地区センターが近い
<悪い点>
洋室×2にはエアコンが設置できない(共有通路に室外機を置けない為)
洋室にベッドを2つ置く広さがないので夫婦の寝室は別々
悪い点に関しては、賃貸マンションの多くに共通していて、クリアする物件はほとんどなかった。
周辺環境も整っていて、マンション自体も今まで見て来た中でもっとも気に入りました。
浴室はリフォームしたてで新しいタイプになっています。リビングの窓とベランダの外は隣接する建物がなく開放的な眺望です。
父:「眺めも良いし、造りもしっかりとしていて良いマンションだね」
ようやく父の納得がいくマンションが見つかりました。
私の経験からすると、不動産会社の人は良くない物件から連れて行き、最後におすすめの物件を紹介するのがセオリーのようです。
私も父母も、全5社18件、内覧を重ねてきた中で最後に見た物件が飛び抜けて気に入りました。
3人共すごく気に入ったのですが、大事な契約は即日でしないと決めています。
私:「高齢の両親に代わって兄が契約者になるので、契約する場合は兄の内覧後になると思います」
営業マン:「仮押さえできないので早めのご契約をお待ちしています」
果たして、今度こそ兄に合格点をもらい、両親の住み替えが実現できるのか? つづく
物件探しで知っておくと良い事
- 物件探しで行き詰まったら、視野を広げて別の路線、街も検討してみる
- 共有通路に私物(エアコンの室外機含む)を置けない関係で、エアコンの設置ができない部屋がある賃貸物件が多い
- 契約の際は、他物件と迷っていると伝えて、家賃等の値下げ交渉を試すこと
- 高齢者は賃貸物件の契約ができない場合が多いので、身内に契約者、保証人等をたてる必要がある
保証人や更新料が不要な賃貸物件を探すという方法もあります。
公社住宅とUR住宅はいずれも公的賃貸住宅で、前者は「地方住宅供給公社」が、後者は「UR都市機構」が運営母体です。
賃貸借契約をする際、原則として連帯保証人が必要としている場合が多いですが、UR住宅では連帯保証人が不要です。
ただし、公社住宅でも家賃保証会社を利用することで連帯保証人を立てないという選択は可能です。
[引用:神奈川県住宅供給公社 ウェブサイトより]
参考サイト
公社住宅とUR住宅の違いはなんだろう?細かい違いを説明!【神奈川県】公社の賃貸
理想の営業マンとは
不動産会社には多数の問い合わせが入るせいか、本気で物件探しをしてくれない業者が多いと感じました。私が接した不動産会社の営業マンは受け身の人が多かったです。
私の経験上、事前に条件や候補の物件を伝えていても来店してから検索(準備)を始める営業マンがほとんどでした。
不動産会社(仲介業者)の店舗に初来店する度に必要事項の記入用紙を渡され、書き終えてもスタッフの準備が終わるまで1時間はかかります。
特にひどかったのは個人経営のある不動産屋で、電話で簡単に条件を伝えた後に私一人で来店したら足元を見られて「あなたが希望するような物件はありません!」と即追い返されました。
やる気のある営業マンこそ物件探しの強い味方です。あきらめずに、きちんと対応してくれる担当者を探しましょう。
私が出会った女性営業マンは①すぐ電話をくれて②すぐ調べて③すぐ内覧に連れていって、くれました。
自分でネット検索して物件候補を複数選んでいても、実際に内覧するとイマイチなことが多いです。
やる気のある営業マンは条件にあった候補を事前に探しておいてくれます。一般の人が閲覧できない非公開物件を専用のシステムで検索できるからです。
さらには物件の内覧に必要な準備を来店前に整えておいて、効率よくエスコートしてくれるのが理想の営業マンと言えます。内覧には各物件の鍵を入手するための事前確認や、複数の物件の位置関係からまわる順番を考えたりする必要があるからです。
早い段階で良い物件またはやる気のある営業マンに出会えていたなら、18件も見てまわらずにすんだことでしょう。
運もありますが理想の物件や営業マンに出会うまで、あきらめずに探しつづけてみてくださいね。