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認知症の母が医療機関を受診せずに迎えた最期 遅すぎたSOS

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心配事があると妄想をして、ストーリーを作り上げ、現実だと思い込んでしまう夫の母。作話症状が始まったのは、私が知る限りでは、20年前の私たちの結婚の時。

近年、認知症の周辺症状として「被害妄想」「作話症状」が出ることが知られてきました。認知症は何年もかけて進行していきます。

70代の義母の「物盗られ妄想」「作話症状」がひどくなり、老夫婦二人の生活も危うくなってきました。
義父は、もし今度夜中に自分の寝室に義母が怒鳴り込んでくるような事があったら、自分は家を出てアパートを借りるという発言とともにSOSの電話を息子にかけてきました。

「我関せず」の義父も「ばあさんのたわ言」では済まなくなり、ようやく義母を医療機関へ連れて行くことになりました。

メンタルクリニックへ行くまで10年

義母は何十年も病院にかかっておらず、健康診断も受けていませんでした。

義母に被害妄想や作話症状が出ており、医療機関受診の必要性を家族は感じていましたが、義母は周りに耳を貸さないガンコな性格で何もできないまま10年以上過ぎてしまいました。

よろしければ先にこちらの記事からどうぞ
www.midoer.work


義父からの SOS もあり、息子である夫が受診の必要性を母に伝え続けました。
ようやく義母を説得でき、春休みに横浜在住の私たちが名古屋に帰省して義母を精神科か心療内科に連れて行くことになりました。

大木の画像虚ろなイメージ
異変に気付きつつ年月が流れる

名古屋の実家周辺の心療内科・精神科に関して、夫がインターネットで調べて、メンタルクリニックの予約を入れました 。
 
いざ、夫と私で義母をメンタルクリニックに連れて行きました。 受付で問診票を受け取り、私が記入しました。
物盗られ妄想ほか、10年位前から作話の症状があると書き、合わせて認知症の検査もお願いしました。

来院するも 診察できずに帰宅

メンタルクリニックで診察の順番を待っている時に、受付前の待合スペースで50代ぐらいの患者らしき女性と医師の口論が始まりました。

女性:「謝ってほしいんです。…今日はその為に来ました 」

医師:「何言ってんですか!謝らないですよ!」

 

話の内容はよく分かりませんが、医師が終始高圧的で、1ミリも女性に歩み寄る気がないのが明らかでした。

私の心の声 :(この人がメンタルクリニックの先生?…何か嫌な予感 )


医師が患者らしき女性を突き放した対応で追い返した後、順番が来て義母は診察室に呼ばれました。
夫と私が付き添いで一緒に入ろうとすると、受付のスタッフに「付き添いはお一人だけでお願いします」と言われました。(コロナ以前なのに理由はわかりません)
仕方なく私は、待合スペースに残り、夫と母が診察室に入って行きました。すると10分もせずに2人が出てきました。

??? 

夫は落胆の表情を浮かべ「詳しいことは後で話す」と言いました。受付で処方せんを受け取り、支払いを済ませ、目の前の薬局で1週間分の薬を受け取り、義母、夫、私の3人で帰宅しました。

心療内科・精神科選びは重要

私たちの場合、ようやく母をメンタルクリニックに連れていったのに、医師個人の判断で診察や検査をしてもらえずに何も進展しませんでした。

帰宅後、私は別室で夫の話を聞きました。

夫:「お母さんが開口一番、医師に向かって『お前みたいなヤブ、ぼったくりだろ。私は息子に連れてこられただけで、あんたなんかに診てもらいたくないわ』って言ったら、医師がへそを曲げて診てくれなかった…」

私:「えーっ、メンタルクリニックの医師なのに患者の暴言、真に受けちゃうの?予約してるのに診ないってどういう事?もしかしてキレた?」

夫:「オレは今回はキレてない。絶対に検査してもらいたかったから、母のこと謝罪して頼んだけどダメだったよ」

私:「何それー?診察はおろか認知症の検査すらしてくれないの?」

夫:「問診票見て、10年も作話症状を放っておいたのか…って言ってた」

私:「はぁ、せっかくキミ、有休も取ってようやくガンコなお母さんを連れて行ったのにね」

 

結局、ちゃんと診てもらえず、なぜか1週間分の薬を処方されたのでした。

義父:「ばあさんの頭を治す薬だから、ちゃんと飲みなさい」

うーん、義母の症状がさらに悪化したら、自分(義父)が大変なのに言葉や対応に気をつけてもらいたいです。
義父はインターネットとは無縁の人だから、本を読んだりして認知症「物盗られ妄想」の症状がある人との接し方とか、理解を深めてほしいです。

ピンクのアジサイ画像イメージ
必要なのは思いやりと知ること

大事なのは全否定せずに、相手の気持ちに寄り添うことです。

認知症検査もできず更に8年経過

メンタルクリニックの件から、さらに8年経過し、どこの医療機関にもかからず母は80歳になりました。

ある日、突然救急車で搬送され、腸閉塞(ちょうへいそく)で緊急入院しました。

何十年ぶりかの病院で、義母は大腸がんで肝臓にも転移していることが判明しました。まずは腸閉塞のステント手術を行い、ガン治療の方針については今後、家族で相談して決めることになりました。

 義母は一旦退院を許され、自宅で元通りの生活に戻りました。
ガン治療のための入院先や術式など、義父や義姉、夫で話し合い、嫌がっていた義母も手術を受ける決心をしてくれました。


それからおよそ2ヶ月後、義母は自宅で他界しました。昼前に台所で倒れているのを義父に発見され、すでに息をひきとっている状態でした。

自宅で亡くなったので警察による検視が行われ、心不全という診断でした。80歳でした。

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認知症の新薬開発に期待

最近、進行を遅らせるのではなく、直接作用するという認知症の薬が開発中であるとテレビのニュースで知りました。承認後、実用化はすぐそこまで来ており、認知症患者と家族の期待を集めているとのことでした。

本人や周りが気付かないことには、認知症の治療や症状緩和の対応は遅れるばかりです。専門医と家族が協力して認知症患者をサポートできたらいいですね。

〈参考サイト〉
ADUHELM™(アデュカヌマブ) アルツハイマー病の病理に作用する初めてかつ唯一の治療薬として米国FDAより迅速承認を取得 | ニュースリリース:2021年 | エーザイ株式会社

アルツハイマー病の新薬 米FDA承認と発表 エーザイが共同開発 | 医療 | NHKニュース

まとめ

  • 親、配偶者、家族のおかしな言動に気がついたら、否定せずにゆっくり話を聞きましょう。
  • 認知症は進行していくので早めに専門医に相談しましょう。
  • すぐにできる事と言えば、心配事や困り事を抱えて不安になっている本人に寄り添い、自分が味方である気持ちを伝えてみましょう。