私たち夫婦は、2001年に物件価格4.400万円の新築一戸建てを購入しました。
当初、住宅ローンは30年で設定し、本来なら2031年まで払い続ける予定でしたが、繰り上げ返済を複数回実行した結果、2008年に払い終えました。
7年間で住宅ローンを完済できました!
住宅ローンの返済期間を60歳または65歳までと設定にしているケースも多いですよね。うちも夫が60歳になるまで払い続ける予定でした。
うちの場合は色々な要因が重なって、幸運にも住宅ローンをスピード完済することができました。
結果的に、比較的若い段階で借金をクリアできたのは気持ち的にもリスク管理的にも非常に良かったです。
他の人にも実現可能なプランとして住宅ローンの「早期完済」または「返済期間の短縮」をオススメしたいのです。
以前に、50代で病気を患い、仕事が続けられなくなり、住宅ローンが払えなくなって家を手放さざるおえない家族の悲劇をドキュメンタリー番組で拝見しました。誰にでも起こりえる事だとしみじみ考えました。
住宅ローンをスピード完済した家
私たち夫婦は結婚して2年後に分譲住宅を購入しました。夫婦の貯金を合わせて1600万円を頭金として支払いました。
頭金を差し引いた2800万円が住宅ローンの金額です。
[私たちの実例]
物件価格 4.400万円
頭金 1.600万円
ローン 2.800万円
[ローン内訳:2001年当時]
住宅財形(株) 2.000万円
5年固定 1.61%
住宅金融公庫 800万円
5年固定 2.45%
※平成19年4月に旧住宅金融公庫から新しく設立された独立行政法人住宅金融支援機構へ権利・義務が承継された(フラット35でおなじみの組織)
我が家では繰り上げ返済を7回実行し、30年の返済期間を7年に縮めてしまいました!
夫が32歳の時に住宅を購入して 39歳でローンを完済しました。
住宅購入当初、私たちは10年足らずで借金を返してしまえるなんて夢にも思っていませんでした。
今思えば、私たちが住宅ローンをスピード完済したきっかけは、二つの金融機関でローンを組んだ事にありました。
まずは確認! 住宅財形制度
夫の勤務先の会社にはありがたいことに 、住宅財形という制度が ありました 。
住宅財形へ預金すると、その預金額の10倍まで借り入れができるというものです。
しかも、もし将来金融情勢が変わって契約時の固定金利(2.5%)が上がってしまった場合には、はみ出した利子の分を会社が補填してくれるという心強い制度でした。(= 利子補給)
そろそろマイホームを購入しよう! 物件探しを始めよう!という段階になって、初めて夫は住宅財形の存在を認識しました 。
夫は住宅財形の制度を知ってから急いで手続きをして、14ヶ月で 200万円以上、住宅財形へ預け入れしました 。
給料天引きで住宅財形の口座へ入金されるというシステムだったので 、短期間で預金額を増やすために 夫の給料のほとんどを住宅財形に回しました。
住宅財形の口座に夫の給料をつぎ込む間、生活費は妻の私の給料でまかないました。 夫のボーナスを全て住宅財形へ預け入れることができ 、なんとか住宅契約の月までに2.000万円の借り入れが可能になりました。
住宅ローン どこで組む?
ところが私たちが決めた物件を購入するには 、あと800万円足りません。そこでしかたなく住宅金融公庫から800万円を別に借りることにしました。
住宅ローンを組む場合 、火災保険と団体信用生命保険に加入しなければなりません。
2つの金融機関でローンを組むと、それぞれの金融機関にて火災保険と団体信用生命保険の契約をする必要があり、二重の出費となってしまいました。
小さい方の借金 全部返しちゃおう!
夫婦の貯金の多くを住宅購入の頭金として支払ったので、またイチからお金を貯める事になります。
マイホームでの暮らしがスタートして毎月のローンの支払いも始まりました。
夫婦共働きだったので、夫婦の預金額(=給料口座)の合計金額が 500万円をいくらか上回った時に住宅金融公庫のローンをガツンと390万円、繰り上げ返済しました。
繰り上げ返済のおかげで一気に住宅金融公庫のローン残金が370万円まで減りました。いきおいを得た私たちは翌年残金をすべて繰り上げ返済しました。
これで住宅金融公庫分を全額返済完了しました。
繰り上げ返済を実行してみる
思いきってガツンと大きな金額を繰り上げ返済へ投入すると、ワープしたような感じです。目に見えてローン残額やローン年数が減ってくれるので、肩が軽くなったような晴れやかな気分を味わいました。
将来や日常のお金の使い方についてよく考えて暮らしていたら、 給料から生活費を引いても、お金がそれなりにたまっていき、繰り上げ返済にまわすことができました。
なんだかんだで2年足らずで800万円の返済が実現!残る借金の山は一つ、2,000万円 。
大きな山だけど小金がたまったら 、また繰り上げ返済というワザを使って 切り崩していこうと自信をつけました。
年末に向けて繰上返済の準備
800万円の借金をゼロにできた事で、ある意味味をしめた私たちは、毎年お金をためて年末に繰り上げ返済をするのが恒例になりました。
毎年に渡り300万円程度の金額を繰り上げ返済にまわしました。2002年~2006年で合計5回の繰り上げ返済を実行し、住宅財形のローン2000万円を完済しました。
私たちは住宅金融公庫と住宅財形のローン合わせて2800万円に対して、毎月の支払いに加えて7回の繰り上げ返済を行って7年で支払いを終えました。
私たちは、住宅購入時まだ子供もいなかった事や共働きだった事もあり、数年間に渡りまとまった金額を貯めてローンの返済にまわす事ができました。
夫婦ともに正社員で働いている間にローンの返済を強化できたのはタイミング的にもよかったと思います。
住宅ローンに目標を持ってみる
[貯金がある人]は、備えプラス必要な金額を手元に残して、繰り上げ返済を 一度試してみましょう。
[貯金がない人]は、 自分の暮らしを真剣に見つめ直してみましょう 。繰り上げ返済という目標ができれば、行動や貯金に変化が起こるかもしれません。
人それぞれ、人生設計や家族構成、何を優先したいかは、異なるので可能な範囲で目標を設定してみてはいかがでしょうか?
生活費やローン、リアルなお金の話って親しい友人同士でもあまり露骨にはできないものです。 よかったらウチを参考例の一つにしてくださいね。
繰上返済のデメリットとは
繰り上げ返済のデメリットと言えば、手続きするのが面倒なのと手数料がかかる事です。
現在、金融機関によっては、ウェブ上で比較的簡単に手続きができ、繰り上げ返済の手数料がかからない場合もあります。ご利用になる住宅ローンのサービスについて、調べてみる事をおすすめ致します。
さて今回、住宅ローンの繰り上げ返済・早期完済のメリットをお伝えしましたが以下の点もご留意願います。
- 各家庭により、教育費や医療費の備えとして手元に必要な金額は異なる事
- 予想外の出費や出来事など、常に何らかのリスクは伴う事
- 現在、住宅ローンの金利が低金利である事
心配なのは、繰り上げ返済にお金をまわして手元の蓄えが少ない時に、思いがけず大金が必要になり困る事です。
まとめ
- 住宅ローンの早期完済はメリットばかり
- 将来の病気や介護リスクに備えて、返済計画を見直そう
- まずは繰り上げ返済を試してみる
- 繰り上げ返済を意識して貯金を始める
- 目標ができれば暮らしぶりにも変化がうまれる(はず)
ちなみに私の記事とは真逆のタイトルのページをみつけました。繰り上げ返済の種類やしくみについて丁寧でわかりやすい説明があります。