マスクが必須アイテムとなった今、犬がマスクを誤飲してしまう事例が増えています。
道路にマスクが落ちているのをよく見かけます。家庭内でもマスクの置き場所や管理について注意が必要です。
これから犬を飼う人、もう飼っている人、 飼う予定がない人も 、犬の誤飲、誤食について知っておいて頂きたく、今回はそのお話です。
犬がマスクを飲み込んだ!
シェルティのサリーがうちに来て初めての春、生後5ヵ月の子犬が子供用のガーゼのマスクを飲み込むという事件がおきました。
さる日曜日の晩、夕食後のひとときでした。
私と当時小学生の娘が、給食当番の子供用マスクを子犬の顔に当てて悪ふざけしていました。
「サリー、かわいい。マスク似合うー♪」
次の瞬間、サリーがマスクをくわえてソファの裏の奥へ行ってしまいました。
「あっ、ちょっと待って!サリー!!」
慌ててつかまえようとしましたが、取られまいとサリーがスゴイいきおいでマスクを飲み込んでしまいました。
「 ガーゼのマスク飲み込んじゃったの?まさかマスクを食べるなんて… 」
犬を飼い始めてまだ3ヵ月の頃でした。
初めての事態に、事の重大さ、犬の体の危険度がまったくわかりません。
訳がわからず、「犬 マスク 飲み込む」とかでネット検索してみました。
見つけた記事は、大型犬が不織布のマスクを飲み込んでしまい、もしもゴムひもの部分が腸内で引っ掛かってしまうと、命の危機もありうると書かれていました。
運良く排泄物と一緒に出てくる場合もあるが、胃や腸でマスクがつまるリスクが高いのですぐに獣医師に診てもらう必要があるとわかりました。
サリーは特に苦しそうにはしていませんでしたが、読んだ記事に促され、獣医さんに診てもらう事にしました。
ヤバイ、ヤバイ…ドキドキしながら動物病院に電話しました。
「ウチの犬がガーゼのマスクを飲み込んだんです!」
動物病院 夜間診療や手術費用は高額
タイミングも悪く、日曜日の夜9時近い時間帯でした。診察時間外ですが、私は近くの動物病院へ電話をかけ、犬の状況を伝えました。
動物病院1件目の先生 :
「すみません。私、お酒を飲んだので手当てができません。救急病院を紹介します。」
自宅から車で 20分ほどの、夜間受付も行っている動物病院を教えてくれました。
私は近所にあるもう一軒の動物病院に電話してみました。私は車の運転に自信がないので、なるべく近くの病院にしたかったのです。
動物病院2件目の先生:
「 私、お酒を飲んでしまいました。もし、それでもいいということであれば診ます。連れてきてください」
私は急いで近所の動物病院へサリーを車で連れて行きました。
サリーがマスクを飲み込んでから1時間近く経過し、時刻は夜9時をまわっています。診療時間は終了していますが、私が電話を入れたので病院に電気がついていました。
動物病院に到着してすぐに、獣医師が吐き気をもよおす薬をスポイトで犬に飲ませました。
しばらくしてサリーもなんとか吐こう吐こうとしているのですが、泡を吐き出すばかりでマスクが出てきません。
獣医師が様子を見ながら1時間で2回処方しましたが、サリーの口からは泡しか出てきませんでした。仕方がないので自宅に戻り、翌日再来院する事になりました。
先生:「仕方がないので明朝まで自宅で様子を見て頂いて、 出てこなければ午前中に開腹手術をしましょう 」
ちなみにその夜の処置代は5000円で、開腹手術を行うと費用が約30万円かかると告げられました !
サリーの病状はもちろん、その金額の大きさに横っ面を殴られたような衝撃を受けました。
翌朝マスクを吐き出した犬
動物病院から帰宅後、サリーもなんだか苦しそうです。
その夜、サークルの隣に布団を敷いて、私はサリーのそばで寝ていました。
時折、ゴギュッ、ゴギュッとサリーの方から詰まったものを押し戻すような音が聞こえてきました。 吐きたいのに吐けないみたいでした。
私はハラハラしながら「サリー、がんばってマスクを吐き出して…お願いだから…」祈る気持ちで一晩過ごしました。
サリーは何度か吐こうとしていましたが、うまく吐き出せずに、とうとう朝になってしまいました。
家族が会社や学校に出かけてしまう直前の朝7時半頃、サリーがひときわ吐こうとしている様子に気がつきました。
次の瞬間、サリーが「ゴボッ」といい、娘が「お母さん!サリーの口に何かある!!」と叫びました 。
はーっ、おえーっ!!
サリーが大きく開いた口に何かが見えたので、私は手を突っ込んで引っぱり出しました!
私:「マスク取れたぁーーー!」
やっとガーゼのマスクがでてきましたぁ!!
「あーっ、マスク取れたぁ!サリー、エラい!よくがんばったね。苦しかったね」
私と娘は、うれしくて号泣しました。「うわぁーん!」
夫もうるうるしています。
サリーが一晩かかって吐き出したマスクは、黄色に変色していました。
子供用とはいえガーゼのマスクですから、けっこうなボリュームです。苦しかっただろうに…
飲み込んだマスクを吐き出す事ができて、サリーの体の無事が確保されました!
サリーががんばってマスクを自力で吐き出してくれたので、お腹を切られる事もなく、手術代の30万円も払わなくて済みました。
「ああ、サリーよかった!30万円も払わなくて済む ー!」
前の晩に診ていただいた動物病院の先生にも電話を入れました。
私:「今朝、無事にマスクを吐き出しました。どうもありがとうございました!」
先生:「それはなによりです。良かったですね」
犬の開腹手術は少なくない
あー、やれやれ…
このマスク事件の話をお隣さんにしたところ、そのお宅で飼っていたフレンチブルドッグが遊んでいた紐を飲み込んで開腹手術をしていたという事実が判明しました。
しかも避妊のための開腹手術をして間もなく、誤飲による開腹手術が続いてしまい、かわいそうな事をしたと話していました。
※状況や動物病院により、開腹手術の他に内視鏡による処置を行う場合もあります。
犬が意外な物を飲み込んでしまうという出来事は実は多いです。よくある例で言うと、靴下、タバコ、トウモロコシの芯、観葉植物などがあげられます。
飼い主が注意して、ワンコの健康を守ってあげましょうね。私の家族とサリーは大変な経験をしたので反省して気をつけたいと思います。
…気をつけているつもりが、またまた誤飲事故が起きてしまいました。
まとめ
・犬が誤飲したら、すぐに動物病院へ連絡して対応しましょう
・誤飲により手術となれば高額の治療費がかかります