昭和40年代生まれの私が子供の頃は、7段飾りの雛人形(ひなにんぎょう)にあこがれました。親となった今、ひな人形に求めるものは豪華さではなく「コンパクトで出し入れが簡単」であることです。
ひな人形をしまうスペースに困らず、飾り付けの手間をおしまない人以外は、後々のことを考えた「ひな人形選び」が重要です。
特に祖父母から贈られた「ひな人形」は、長きに渡り大切に扱う品として簡単には処分できません。
私の家の例で言うと、3段飾りのひな人形を保管している大きなダンボールを押し入れの天袋から出し入れするのに、毎年大変な思いをしています。それなりの重量のコワレモノを高い所からおろす作業は夫に頼んでいます。
私の周りでも娘が高校生ともなると、ひな人形を出す労力に心が折れ、「ひな人形は何年も出していない」というお家は多いです。
とにかく「毎年飾る」にしても「数年しまったまま」にしても、長年保有することになる高価な買い物なので後悔のないようにアドバイスさせていただきます。
ひな人形を誰が買うか相談しておく
「立派なお雛様、送ったから」なんて、いきなり大がかりな雛人形が届くことのないように、双方のご両親にしっかり確認しておきましょう。
母親の実家がひな人形を贈るのが一般的なようですが、ご厚意で父方の実家がひな人形を用意する場合もあるので油断は禁物です。私の家の例で言うと、遠方に住む夫のご両親が初孫となる娘のひな人形を買い求めて送ってくれました。
初節句のひな人形を買う人が決まったら、「雛人形の選び方について」希望を伝えることが大切です。
①一緒に選ぶ(店頭か通販)
②予算を相談して購入。代金をもらう
③要望を伝えて買ってもらう
それぞれの希望や状況に応じて、買い方・選び方を相談して決めておくと安心です。
遠慮して口出ししないでいると、あとで後悔することになりかねません。
女の子が生まれた場合、初節句の雛人形は母親の実家が買うのが一般的です。母親の実家が買う理由は、雛飾りが古くは嫁入り道具のひとつだったためです。
絶対に母親の実家が買うという決まりはないので、かわいいお子様のために両親と双方の実家が和やかに話し合って決めるのが一番です。早めに選ばないと好みの雛人形が売り切れてしまう可能性もあります。デパートなどに雛人形が最も多く並ぶのは1月~2月中旬まで。
雛人形を片付けるのは「お節句が終わったらできるだけ早く」とされています。だらだらと雛人形を飾り続けないということが大事で、何が何でも3月4日に片付けなければダメということではありません。
[抜粋引用:吉徳大光 yoshitoku.co.jp]
雛祭りは毎年続く
雛祭りは初節句に終わらずに、毎年続きます。
1年に1度の行事とは言え、ひな人形を出して仕まう作業はけっこう大変なんです。人数や調度品が増えるほど、労力はアップします。
母親なら笑顔でひな祭りの準備をしたいところですが、理想ばかりも言っていられません。
押し入れの奥からひな人形のケースを取り出して、一つ一つ包みから出して並べて飾り付けします。ごちそうを用意して、ちらし寿司やデザートをふるまって家族でお祝いします。
3月3日が終わったら即、ひな人形を片付けないと「娘が嫁に行き遅れる」という迷信が頭をかすめます。
ケース入りの飾り雛がオススメ
私が実に理想的(うらやましい)と思ったのは「雛人形 ケース飾り 固定式」のタイプです。
ガラスケースにお内裏様(おだいりさま)とお雛様(おひなさま)の二人と調度品を飾り付けるタイプは昔からありました。アイテムの点数が少ないので、出し入れはかなりラクです。
しかし人形は壊れ物なので紙類にしっかり包んで、収納して片付ける必要がありました。
そこで画期的なのは雛人形や調度品がガラス(アクリル)ケース内に固定式で配置されている商品です。各アイテムの出し入れが不要で、ケースをそのまま置くだけで飾り付けが完了します。
私の知人宅では、タンスの上に固定式のひな人形のガラスケースをのせてあるそうで、毎年の桃の節句には覆(おお)っている布カバーをはずすだけで準備完了だそうです。
ひな祭り終了後は再び布のカバーをかけるだけです。合理的ですね。
ガラス(アクリル)ケースの飾り雛をそのまま置いておけるスペースがあれば良いのですが、押し入れやロフトに置く際はダンボールに戻してから収納するご家庭が多いと思います。
収納時の状態を確認して買う
ひな人形を買い求める際には通常、飾り付けた状態を見て選びますよね。
そこでお雛様を飾った時に加えて、片付ける時にどんな状態で収納するのかを確認した上で購入することをオススメ致します。
ケース飾りの雛人形は比較的、収納がラクにできます。ケース内の人形が据え置き(固定)タイプなら、もっとも手間いらずです。
近年、「収納飾り」という雛人形も登場しています。飾り台が収納箱になっているタイプのことを言います。
木製の収納ケースでガラスよりも取り扱いがしやすく、ダンボールにおさめる必要もありません。
固定式ではなく飾り付けるタイプのひな人形は、直接、手や目で触れることができる分、取り扱いに気を使います。
お人形の手や頭を壊さないように注意が必要ですし、装飾品もけっこう細かいです。アイテム数が多くなるほど、出し入れする作業が大変になります。
[雛人形:私のオススメ評価]
- 固定式ケース飾り◎
飾り付けも片付けも手間いらず。収納しやすい。
- ケース飾り○
壊れ物の取り扱いに注意が必要。作業量は少々。
- 収納飾り○
壊れ物の取り扱いに注意が必要。ホコリを払う必要がある。
- 段飾り△
飾り付け・収納時の作業・管理が大変。ホコリを払う必要がある。置き場所を取る。
飾るのも仕まうのも大変
我が家に届いた3段飾りのひな人形(三人官女付き)は、ダンボールに木製のひな壇が逆さまの状態で入れられて、その中に5体の人形と調度品がパズルのように埋め込まれておさめられていました。
しかもダンボールの封は浮いていてエアパッキンと包装紙でフタがされていました。これがくせ者でピッタリ封ができないダンボールを押し入れに入れるのが難儀(なんぎ)なことこの上無し!
私としては、お祝いで頂いたひな人形にケチをつけるのは申し訳ないのですが…押し入れの天袋を占拠され、出し入れがものすごく大変なので苦行と化しているのが事実です。
結局、ひな人形を長年管理するのは主に母親なので、母親の意向を確認することが大切です。
双方が相談して選ぶ
せっかく豪華なひな人形を贈ってもらっても、出し入れが大変過ぎて負担になってしまったり、何年も出さずに仕まい込まれるようでは残念ですよね。
「今年こそ、ひな人形」を出したいと思いつつ、ハードルの高さゆえに飾ることなく罪悪感を感じている母親が少なからずいるのです。
ひな人形を贈る側も、受け取る側も「こんなはずじゃなかった」とならないように、本音で相談できたら良いですね。
モノを選ぶセンスや基準は実にさまざま。
ひな人形は基本的には買い替えることのない一生モノなので、本人に一番近い存在のお母さん(お父さん)の希望を優先したいところです。
双方が満足して初節句を迎えて、以後、本人と家族が「おひなさま」を愛でられ続けられると良いですね。
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